植 物
現地球、選び方のポイント<導入編>
2022.7.21

無骨でワイルドなボディ、たくましく育った現地球(ベアルート株)に憧れている方は多いんではないでしょうか?

今回はそんな「現地球」を入手するにあたり選び方のポイントと見分け方を解説していきます。
※発根管理と書いていますが、今回は入手後の処理までです。

私自身、いろいろと手を出して失敗や後悔を繰り返していますので、少しでもお力になれればと思っています。。
私の屍を超えてゆけ、、!

この記事でわかること
現地球とは?
仕入れる際の注意点
入手後にやること

現地球(ベアルート)とは?

マダガスカルの風景

“現地球とは、おおよそ原産地で育った株を収穫し、日本に輸入された株のことを指します。
ベアルートとも言いますね。

過酷な環境で育った株は、長年過酷な大地で育った株はそれだけで価値があり、日本の環境化では再現するのは難しいこともあり人気があります。

  • 自家受粉
  • ネットで購入(ネットショップ、個人売買)

大きく2種類

一口に現地球といっても、「山採り株」「現地発根済株」とザックリ2種類に分類されます。
(現地実生とかもありますが、あれはほとんど国内実生と姿が変わらない場合が多いです)

大体のものは「山採り株」で根っこがスパっとぶった切られているものが大半です。
逆に「現地発根株」が出回るのは稀です。

ややこしいですが、「現地球 発根済み」で売られているものは、輸入した方が発根管理し発根させている株ということです。

以下、詳しく説明していきます。

山採り株

文字通り、山から採取してきたままの株です。
現地の方がざっくばらんに収穫している場合がほとんどなので、ワイルド目に根がぶった切られている場合が多いです。

さらに、管理がずさんな場合が多く輸入時点で枯れているなんてこともあります。
ここはかなり業者間で差があるので、信頼がおける方との取引が重要になってきます。

なので、発根難易度高めと言われています。

現地発根済み株

こちらは文字からもわかる通り、収穫後に現地の農園で養生し、再度発根されて輸入された株を指します。

一度発根されているので、比較的鮮度もよいことが多いです。
株の特徴として、根の部分に枯れた根(たまに生きてる)がついています。

その手間の分、値段もお高めですが難易度は比較的低いと言われています。
しかし、これを行っている業者はほんの一部です。

この販売方法は主に、パキプスでよくみられる販売方法です。

現地実生

現地で実生し、現地の環境で育てられた株のことです。

播種されて年数があまり経過していない小さな株がほとんどなので、国内実生と姿はあまり変わらないが、種子の入手が困難な場合などレアな品種が出回ることがあります。

購入までの注意点

ヤフオク、メルカリ購入イメージ

上記で紹介した株の主な購入先は、店舗やオンラインショップ、オークション、フリマサイトなどがほとんどかと思います。
(個人輸入する方もいらっしゃいますね)
※たまにInstagramなどで、怪しい外国人に輸入を進められたりしますが、どんなに魅力的な提案でも完全に怪しいので乗っかってはいけません。

最近では、現地球の未発根が大量に仕入れられているのを見る機会が増えています。
それに伴い、状態がよくないものも中には見受けられます。

そこで、最低限見極めるポイントを紹介します。

今回はとくに盛んなパキポディウムやパキプス等について紹介します。

現地球の購入時に見るべき3つのポイント

安い買い物ではないので、できるだけ発根確率が高い株を選びたいものです。
私なりのポイントとして、特に重要な3つを紹介します。

  • 質感はどうか
  • 根の状態
  • 匂いはどうか

おまけ:生命力を感じられるか

順番に解説していきます。

質感はどうか

株の全体を観察し、質感を見ます。
そこで、部分的に色が黒ずんでいたり、ところどころしぼんで変色していないかを見ます。
枯れているor弱っている株というのは、上記の特徴がある場合が多いです。

なぜ部分的がダメかというと、どこかにぶつけている(打ち身)の可能性があるからです。
打ち身は株の状態によってはその部分から腐りが進行する事があるため注意が必要です。
弱っている株に更にダメージが入っている、、というと想像しやすいですね。

パキポディウムに関しては、ベコッと凹んでいるものというよりは、部分的に凹みや変色がないかをチェックします。
(逆にベコッと凹んでいるものは発根しやすいと言われています)

パキプスの表皮
わかりづらいですが、打ち身が入っており、部分的に凹んで切る株

根っこの状態はどうか

発根するにあたり、根の状態はかなり重要な部分です。

根の切り口を見れる場合、必ずチェックしましょう。
主根(しゅこん)の長さやしぼんでいないかなどをチェックします。

カットして間もないものを見れるのがベストです。
黒ずみもなくフレッシュな切り口であれば良い状態だと言えます。

主根の長さはどれくらい残っているかも重要です。
管理していくうちにうまくいかない場合、根を切り詰める ”リセット” という方法があるので、長い分だけそれを繰り返せるからです。

パキプスの根の断面
発根成功した株の断面図

匂いはどうか

これは実際に実物がある場合のみとなりますが、株の匂いをチェックします。

株が腐りが進行すると、発酵臭がします。
※よく言われているのは、甘い発酵したお酒の匂いです。
主に腐りが入るのは株元や根っこ付近ですが、枝先や打ち身(変色している)等から腐りが広がる場合がありますので、全体の匂いをチェックしましょう。
逆にフレッシュな株は根を切り詰めた時に、木のさわやかな香りがします。

霧吹きで濡らすとより匂いを感じられるので、可能であればお試しください。

おまけ:生命力を感じられるか

おまけとして、こちらは完全に感覚ですが、生命を感じられる株を選んでください。
これを鍛える方法としては、発根している株と失敗した株を比べ続けるしかないと思います。

見続けているうちに言葉では表せない部分が見えてくると思います。
表皮が緑ならいいわけではないことや、質の悪い業者の特徴などを知ることができます。

Instagram等でたくさんの成功例、失敗例を見ることができるので少しでも参考にしていきたいところです。

購入後のチェック

いよいよ手に入れることができたら、発根管理を始める前に状態をチェックしましょう。

特に直接見たり、触る事の出来なかった株は、上記したことを入念に行いましょう。
実際家に帰って落ち着いてみると、見えなかった部分が見えたりします。

実際届いてみたらひどい状態だったという話は、珍しくないのであまりにもひどい場合はお問合せをしてみてるのも手です。
(カットしてみたら、まるまる腐っていたなんてことも、、)

こちらについては賛否両論あると思いますが、不安な場合はお問合せしてもよいと思います。
ちゃんとした所はこういうサポートもしっかりしています。というか、そもそもそんな株を販売していないと思いますが、絶対ではないので

発根失敗した株の根の断面図
発根失敗した株の根の断面図、購入時はすごくフレッシュに見えましたが、根から腐りが入っていました

まとめ

今回は現地球の選び方を紹介しました。

どうしても輸入となってしまうので、株選びはかなり大事です。
上記であげた事を注意し、用心に用心を重ねて慎重に選んでみてください。

そして初心者の方は、最初は実店舗で購入してください。
お店の人と相談しながら、実際の株を選んで購入するのを絶対におススメします。
お店で買うことで、発根管理中も相談することができるので、店舗で買うメリットは大きいです。(ネットショップでも相談受けてくれるところもあります)

そして、一番忘れてはいけないのは、現地球はかなり貴重だということです。
購入した方・したい方は、責任をもって発根させるという覚悟を持って取り組んでください。

貴重な株を発根させて、園芸ライフを楽しみましょう!

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